Web検研究番外編 ECサイトの位置付けと オンラインモール

オンラインモール
ECサイトの中でも、インターネットショップなどのB2C型のサイトの場合、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのオンラインモールへの出店を検討する場合があります。これらのモールでは、商品比較はもとより、個人情報の登録や管理、決裁やポイント付与などの統一的なサービスが受けられるので、一つの「生態系」として多数のヘビーユーザーが存在します。

オンラインモールのメリット、デメリット
Webサイトのプロモーションとしても、オンラインモールへの出店は次のようなメリットがあります。これは個々のショップではなく、ショッピングモールが持っているものでもあります。
・圧倒的な集客力
・検索エンジンからの評価も高いので検索結果で上位表示され易い傾向にある
・信頼感や安心感でも優位性がある
・最近では、スマートフォンなどの新しいデバイスにも自動対応
対してデメリットです。
・出店費用が必要(固定費+変動費+還元ポイントの購入など) → 利益が圧縮される
・他店との比較が容易で価格競争、サービス競争に巻き込まれる
・顧客情報がモールに帰属する場合がある
・掲載する広告(記事)に制約がある
・モール内での検索対策や広告費が高額である

例えば、ある商店が2012年「敬老の日」に楽天市場へ約2ヵ月間で支払った広告費は約800万円で売上は千数百万円と聞いています。ペイは出来たのではないかと推測しますが、大きな利益(率)を獲得できたとは考えにくいです。
当然、このようなモール内での広告は注目度が大きいので成功率は高くなりますが、商品の魅力や粗利率などの各要素を考えての設定が難しいものとなります。経費が大きくなると、キャンペーンが失敗した場合のリスクは大きいです。
個々のモールでのキャンペーンに要する費用は、Web上で公開されています。広告の表示場所や面積によって金額が異なり、クリック単価ではなくインプレッション単価や期間での金額設定が多いようです。

まとめ
基金力と人員に余裕のある企業の場合、独立ECサイトとオンラインモールの双方へ出店し、メリットとデメリットを吸収する方法をとる場合が多いようです。
どちらか片方に絞る場合は、充分に調査や検討を重ねるべきでしょう。既に始まっていることですが、今後の展開は、経済成長の著しい中国やインドなどBRICsの顧客獲得を視野に入れて運営する必要も出てきます。
※2013年、中国のネットショッピング市場における取引規模が4,371.3億元に到達(1元 = 約JP¥16:2013年11月30日)

オンラインモールとは・・・
複数のオンラインショップが軒を連ねるWebサイトのこと。オンラインモールは、消費者側には複数店舗の商品を縦断して検索が行えたり、決済やポイントが一括されるなどのメリットがあり、個々のショップにとってはオンラインモールの集客力を活かせるというメリットがあります。現実的には「凡庸な商店の単なる寄せ集め」であるモールは、ほとんどが低迷し、最新の技術やビジネスモデルを導入したオンラインモール(その筆頭は楽天市場やYahoo!ショッピング)だけが活況を呈していると思われます。