POINT
■電子メディアでは、RGBを元にさまざまな色を作り出しており、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三原色による色表現は「加法混色」といいます。
■色には、種類を表わす「色相」、明るさを表わす「明度」、鮮やかさや濃さを示す「彩度」の3つの属性があります。
■計画的に決めた配色を「カラースキーム」と呼び、これを元にさまざまなビジュアルの制作を行うことで、統一的な雰囲気やイメージをユーザーに伝えます。
【色の三原色】
人間の目は、赤・緑・青の独立した色を合成し、オレンジや紫といった色として感じます。人間本来の見え方を模して色を作り出すことを「加法混色」といい、電子メディアで標準的な混色方法です。加法混色の原色は赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)で、すべてが重なり合った部分は光が飽和した状態、つまり白になります。
一方、印刷メディアで標準的なのは「減法混色」で、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、キーカラー(Key)である黒を加えたCMYKの4色を混色することが多いです。
RGBでは、それぞれの色に0から255までの値が指定でき、約1,677万色の表現が可能です。グラフィック制作ツールではRGBの値を直接指定できるほか、カラースライダーなどが利用できます。
また、RGBではなくHSL(色相・彩度・明度)で色表現を決定できる仕組みが用意されている場合もあります。
【色の三属性】
色には種類を表わす「色相」、明るさを表わす「明度」、鮮やかさや濃さを示す「彩度」の3つの属性があります。これらの組み合わせによって、さまざまな色味を生み出すことができます。例えば濃い緑も薄い緑も同じ色相ですが、明度や彩度によって色味に違いが生まれます。
さまざまな色相を順序立てて円形に並べたものを「色相環」といいます。色相環で互いに反対側に位置する色を「補色」といい、赤に対する緑、青に対するオレンジなどがあります。補色同士の組み合わせは互いに目立たせる効果が有り、配色に利用することが多い。白と黒の混色で作られる彩度の無い色(グレースケール)は「無彩色」、その他の色は「有彩色」となります。無彩色は文字色や背景色、余白や影などに広く用いられます。
【カラースキームの決定】
Webサイトで色を無計画に用いてしまうと、ユーザーに雰囲気がうまく伝わらないばかりか、視覚的なストレスにつながります。通常はベースカラー(基調色)、アソートカラー(従属色)、アクセントカラー(強調色)の3種類の配色を「カラースキーム(色彩計画)」として設定し、これを元にさまざまなビジュアルパーツやページ制作を行います。
配色方法にはセオリーが有り、次のような代表例があります。
■隣接した色相から色を選ぶ
トーン・イン・トーン。色相の持つイメージが強調され、調和が取り易い。
■同一色相でトーン違いの色を選ぶ
トーン・オン・トーン。同じ色相に属した色の、明度と彩度を変えた組み合わせ。
■等色相差の色を選ぶ
色相環で逆の位置にある補色を用います。それぞれの色のインパクトが強くなります。
■無彩色と有彩色を組み合わせて使う
グレーは色相の異なる色同士の衝突をやわらげたり、主張しない色として利用できます。