POINT
■相手の知識や経験、背景、役割に合わせた用語を使いましょう。
■状況に応じて書面、口頭、電子メールなどの手段を使い分けましょう。
■適切なコミュニケーション活動のために、PDCAサイクルを用いることが望ましいです。
【コミュニケーションの基本】
Webサイト制作プロジェクトでのコミュニケーションの対象は、Web制作会社という立場で考えた場合、発注元であるプロジェクトスポンサー(クライアント、顧客)、カメラマンやライターなど外部の関係者と、社内のプロジェクトメンバーなど内部の関係者の2つに大別できます。どちらを対象としてもコミュニケーションの基本的な方法に大きな違いはありません。相手の知識や経験に合わせた用語を用い、意図や方針を明確に伝えることが重要です。
プロジェクトスポンサーの立場なら社内でのWebサイトの位置付けや期待する役割、ビジネスゴール、ブランディングの方向性を明確にしてWeb制作会社など業務の依頼先に伝えることが大切です。逆に制作会社の立場としては、これらをヒアリングによって察知し、プロジェクトスポンサーとイメージを共有する必要があります。
【コミュニケーションマネジメントのプロセス】
プロジェクトが混乱をきたさないように、プロジェクトマネージャーやディレクターは関係者に対する適切なコミュニケーション方法を計画・立案し、実行・評価・改善します。各プロセスは概ね次のようになります。
■コミュニケーション計画
過去のプロジェクトでの成功や失敗体験などを参考に、誰がいつどのような情報を必要としているのか、適切な伝達方法は何なのかといったニーズを特定し、情報の形式・配布方法・時期・担当者などを検討し、計画します。
■情報伝達
書面・口頭・電子メール・メーリングリスト・イントラネットサイト・外部のWebサービスなどの手段にこだわらず、受け取る側に確実に伝わり、受け取る側が正しく理解できるように配慮して伝達を行います。また、情報伝達の結果から、上手くいかなかったケースの教訓や、その際のプロセスの変更などを以後の改善に役立てます。
■実績報告
スケジュールの進捗状況・コスト・品質に関しての情報などを収集・整理して、クライアントに報告するための報告書としてまとめます。必要に応じてリスクや調達に関する報告を行うこともあります。
■関係者のマネジメント
プロジェクトマネージャーやディレクターは、関係者との適切なコミュニケーションの実現に向けて常にプロセスの監視を行い、情報の伝達漏れや認識の違いにより発生する問題の解決に努めます。
コミュニケーションの指標を明確にするために
プロジェクトに関わるステークホルダーは多岐にわたります。それぞれの経験・背景・役割によって伝達する認識レベルが異なります。単に「カッコいいWebサイトをつくる」と言っても、「カッコいい」の概念がそれぞれ異なるので、何らかの指標がないとプロジェクトが混乱をきたします。