3.06PDCAサイクル

POINT
■PDCAサイクルによって、プロジェクトのさまざまな局面でプロセスを改善できます。
■問題点の原因究明を行った後、改善案をどのように策定し実行するかが重要です。
■得られたノウハウを蓄積・共有し、今後のプロジェクトに活用できるようにすることが望ましい。

【PDCAサイクルとは】
プロジェクトマネジメントを俯瞰すると「成果を定義すること」、「成果を出すための計画を行うこと」「計画通りに進んでいるか継続的にチェックし改善していくこと」と捉えることが出来そうです。特に、継続的なチェックと改善のプロセスを「PDCAサイクル」と呼びます。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Actcycle)は、ウィリアム・エドワーズ・デミングらが提唱した生産管理や品質管理を円滑に進める手法の一つで
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)
の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善しえいくという考え方です。

PDCAサイクルは、プロジェクトのさまざまな局面で活用できます。

■スケジュール管理におけるPDCA
「Plan」では実施内容の設定と、過去の経験や実績をもとに想定した最初のスケジュールを立てます。
「Do」で実際にタスクを進行。
「Check」では計画した効率と品質でスケジュールを完了したかを確認し、もし問題が発生していた場合は、担当者の作業能力によるものか素材調達や責任者確認フローの遅れによるものかなど原因を突き止めます。
「Act」では、その原因を改善するための増員や担当者変更、タスク所要日数の見直しを行います。
その後、「Plan」へ戻り、改めてスケジュールを作成します。また、「Check」で得られた原因は今後の改善に活用できるように情報共有などを行います。

■予算管理におけるPDCA
特定のプロジェクトの予算管理で、積算で決定した作業単価や総予算が変更されることは稀ですが、見積りや実行予算の精度を上げるために、PDCAを用いることができます。
「Plan」では各タスクに対する予算割り当てを計画します。
「Do」ではタスクの完了。
「Check 」で作業の完了に要した労働時間などを測定し、想定費用との妥当性検証を行います。
「Act」で標準単価の見直しなどを行い、情報として蓄積します。

■Webサイト運用におけるPDCA
PDCAはWebサイトやWebサービスの構築プロセス以外にも活用できます。Webサイト運用では
「Plan」で利益計画やROIを元にしたPVやCVRなどの目標設定と、目標を達成するための方法、期間単位ごとの目標数値設定などを行います。
「Do」でSEMやクロスメディアプロモーションなどを実施します。
「Check 」で目標数値と実績数値を比較します。
「Act」では、目標に達していない場合の原因究明と改善案や追加施策を立てていきます。

この他、リスクマネジメントや情報セキュリティマネジメントにおいても重要なプロセスとされています。PDCAサイクルを様々な場面で用い、サービスや利益率の改善を図るべきでしょう。