POINT
■プロジェクトマネジメントとは、事業の「ヒト」「モノ」「カネ」を適切に管理し、想定した利益を生み出すための活動です。
■インターネット業界は、多くの業務分野が労働集約的であり、各プロジェクトにおいては人件費が主なコストを占めます。
■要件の変更によって、コストや所要日数、必要なリソースの量が変動することはよく起きるので、プロジェクト全体を適切に管理することが求められます。
【インターネット業界の変化の特徴】
インターネット業界は、その成長率、ハードウェアや新しい技術の登場など、従来の業界では考えられないスピードで変化し、成長しています。多様な業務分野それぞれに高い専門性が求められ、高度なスキルを備えたプロフェッショナルを必要とし、特定の業務分野に特化した企業が生まれています。また、技術自体やインターネットのもたらした変化が他の産業へも影響を与えるため、変化に応じて、業界も新しい取り組みにチャレンジし、競合との差別化を図る必要に迫られています。このような状況では、事業主体社が内部のリソースだけを用いて事業を行うのではなく、多くの外部パートナーと協力しながら事業に取り組む必要が有り、その推進にあたっては高度なプロジェクトマネジメント能力が必要とされています。
インターネットビジネスを「プロダクト」として見た場合、成果物がWebサイトやWebサービスという、フロントエンドとバックエンドを含めた「ソフトウェア」であるという点が大きな特徴です。ソフトウェアの生産過程においては、工業製品のような製造工場や原材料の調達といったことは不要であり、生産コストのほとんどが人件費です。プロジェクトの内容によって、パッケージソフトの購入費用やドメインやサーバーの取得維持費用、特許技術の使用料などライセンス費用が必要になりますが、他の製造業と比べた場合、その比率は少ないのです。成果物がソフトウェアプログラムの形態をとるため、事業参加者が成果物の最終形態を共有しづらく、また、ローチン(一般公開)までの過程において、さまざまな環境変化への対応やより高いクオリティを達成するために、要件と最終成果物を部分変更することが頻繁に行われるため、当初に想定していたコストの変動が起こり易いです。この点が、プロジェクトマネジメントが重要視される理由の1つです。
【高度なプロジェクトマネジメントの必要性】
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功させることを目指して行われる活動です。簡単に言えば、事業の「ヒト」「モノ」「カネ」を管理することを指します。管理業務の遂行は、従来は属人的な能力に頼ることが多かったのですが、現在ではPMBOK(ピンボック)を始めとした様々なプロジェクトマネジメントの体系化メソッドが誕生しています。また、業務を助けるための様々なアプリケーションも登場していて、現場で用いられることも多いのです。
高度化するプロジェクトを1つの製品として捉え、マネジメントを適切に実施することによって、高いクオリティを保ちながら適切な工期で完成させ、想定していた利益を生み出すことが求められています。プロジェクトマネジメントの専門担当者をプロジェクトマネージャー(PM)と呼ぶことが多いのも知っておくと良いでしょう。
(参考)プロジェクトマネージメントアプリケーション
Microsoft Projectも、Google Appsのアプリケーション機能も、基本的には単なるドキュメント(エクセルの表形式ファイルのようなもの)が多く、最近では国産のクラウド型アプリケーションが多く登場しています。(下図はエクセルによるプロジェクトのタスクシート例)
ただ、Google AppsもGoogle Siteを上手に併用すると、直感的に利用し易いインターフェースを制作出来るようになります。
- プロジェクトのタスクシート