POINT
■携帯電話を用いたインターネットには、その特性から独自の戦略や方法論が存在します。
■圧倒的な普及率と安易な課金方法を背景に、インターネットビジネスにおけるさまざまな収益化の方法を生み出しました。
■ユーザーのレスポンスの速さや、GPSを活かした新たな取り組みに注目が集まっています。
【モバイルインターネットとは】
1999年、NTTドコモが携帯電話向けのインターネットサービス「iモード」を開始して以来、日本のモバイルインターネットビジネスは他国に先行して発展を遂げ、目標とされる存在になりました。この理由はユーザーが常に身近に携行する情報端末であること、独身世帯を含んだ世帯を対象とした場合96.3%にのぼる高い普及率(総務省「通信利用動向調査報告書 世帯編 平成21年報告書」)を背景に、さまざまなインターネットビジネスの取り組みがなされ、成功したからです。
最初のモバイルインターネットは携帯電話のキャリアが専用インターネットサービスを提供する垂直統合構造の世界だったため、通話料とともにサービス利用料を請求できました。パソコンでのインターネットアクセスを前提とした場合と比べ対価徴収が容易だったのです。またWebマネーのようなプリペイド式の課金方法などにより、クレジットカードを持たない高校生などもターゲットにすることを可能にしました。携帯電話の多目的化のために搭載された機能を用いて、新しいモバイルインターネットサービスが開発されるという好循環が生まれたことも大きいでしょう。動画撮影も可能なカメラ機能、ファイルを添付できるメール機能、GPS機能、QRコード対応、赤外線通信などがほぼ標準機能として備わっており、これらとインターネット機能を組み合わせたさまざまなサービスが、個人ユーザーの課金や広告料徴収などの複数の方法によって利益を生み出しています。
モバイルインターネットの世界ではキャリアが提供する「公式サイト」の他に、一般のWebサイトを見ることもできるため、キャリアの既成の少ないサービスが提供できるWebサイト(勝手サイト)も多く存在します。1ページあたりの容量の上限(主にガラケー)や表現力の制約、情報入力の難易度などの違いからも、パソコンでの閲覧を前提としたインターネットビジネス戦略とは異なる方法論が存在しています。また、モバイルインターネットはユーザーの携帯端末を通じた瞬時の反応が期待できるという特性もあるため、さまざまな携帯電話搭載の機能と組み合わせ、街頭でのインターネットアクセスを前提としたキャンペーンなどでユーザーにインタラクティブな体験を与えることが可能です。
インターネットビジネスを考える上で、パソコンを利用したインターネットとの違いを踏まえてビジネスの活用を考えることが重要です。
余談ですが石川が広告の運営を受託している生花店では2013年7月度、ついにスマートフォンからのコンバージョン(お買い上げ)が100%となってしまいました。(広告からの誘導の中で占める割合)