ワイヤーフレームやデザインカンプといった作業上で重要視されてきたドキュメントの有効性が問われる一方で、プロトタイプ(試作品)の仮運用の重要性が増しています。
プロトタイプは最小限の試作品で、必要なテクノロジー・ビジュアルデザイン・インタラクションデザインを見極めたり、サイト全体のコンテキスト(文脈)の把握と確認ができるからです。また、スケーラビリティ(更新やコンテンツ追加による広がり)の考慮、APIの連動、運用上のリスクを予想するためには、プロトタイプの仮運用が欠かせないでしょう。
机上では果たせないことを予見するのが難しい仕様や諸条件も、プロトタイプの仮運用によって検知できる場合もあります。特にデバイスの多様化やテクノロジーが複雑化し、この傾向が強くなっているようです。
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※インタラクションデザインの原則
ユーザーとインタラクション(対話型操作)を行う機械やシステムを対象とするデザイン分野のこと。そのための技術や手法を指す場合もあります。
認知心理学の基本原則がインタラクションデザインの基盤となっています。メンタルモデル(思考プロセス)、マッピング、メタファー(イメージを喚起するもの、暗喩する概念)、アフォーダンス(環境が与える意味・価値)などです。