POINT
■効率的な調査分析のためには、分析対象とするWebサイトの「粗読み」を行い、 仮説を立てて重点部分を判断することが大切です。
■ターゲットユーザーの具体的な動機や来訪マインドを設定すると、より良い調査を行うことができます。
■具体性を欠いた調査分析や評価は誰からも支持されないWebサイト」を生み出すきっかけになりえます。
【Webサイトの評価手法】
既存のWebサイトやWebサービスを分析する場合に、印象論で是非を論じるだけでは効果的な分析結果を導き出すのは至難の業です。適切な分析手法を用いて、複数のサイトで用いることのできる評価軸と評価方法を用意し、客観的な分析がでいるようにします。評価はサイトごとの課題の違いによって調整した方が良いので、本調査の前に「粗読み」という予備調査を行います。改善しようとするWebサイトのどこに課題がありそうか仮説を立てたうえで調査手法を選定することで、効率的に分析できます。仮説を立てた部分を中心に、競合サイトとの評価軸を作ります。
Webサイトの評価手法としては、ウォークスルー評価、ヒューリスティック評価、ユーザーテストが有名です。これらの調査手法の実施に共通して必要なのは、ユーザーのプロフィールや状況、目的などを具体的に設定したうえで調査を行うことで、以下の3つの視点で調査を行うことが一般的です。
●ターゲットユーザー視点
「そのサイトのターゲットユーザーは誰か」「ユーザーがサイトを利用する目的は何か」「ユーザーに起こしてほしい行動は何か」「ユーザーがサイトに望んでいる情報や機能が感じられるデザインか」等の視点で評価軸を設定します。
●行動プロセス視点
「ターゲットユーザーがどのような考えを持って、このサイトを回遊するか」「ユーザーにどのような情報を伝えれば目的が達成できるか」「ユーザーが目的を達成するために現在のラベリングは適切か」「ユーザーに、どのような情報や機能を提供すればコンバージョンに繋がるか」等の視点評価軸を設定します。
●商品/サービス特性視点
「Webサイトで提供する商品やサービスの魅力はどこにあるのか」「ターゲットユーザーがそれらに魅力を感じたり、行動のきっかけとなる情報や機能は何か」等の視点で評価軸を設定します。
このような評価軸を基に得た分析結果によって、ターゲットユーザーから支持されるWebサイトの必要条件を抽出することが可能になります。
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(参考)ニールセンのユーザビリティ10原則
1.システム状態の視認性を高める
2.実環境に合ったシステムを構築する
3.ユーザーにコントロールの主導権と自由度を与える
4.一貫性と標準化を保持する
5.エラーの発生を事前に防止する
6.記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う
7.柔軟性と効率性を持たせる
8.最小限で美しいデザインを施す
9.ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする
10.ヘルプとマニュアルを用意する