1.04 ブラウジング環境

【Webブラウザの歴史
Webブラウザは、Web上の情報を閲覧する為のアプリケーションソフトです。

1993年、イリノイ大学のNCSA(米国立スーパーコンピュータ応用研究所)のマーク・アンドリーセンらが「NCSA Mosaic」というブラウザを開発。
Webブラウザで初めて画像表示、直感的に操作できるインターフェイス、FTP対応、UNIXだけでなく、WindowsやMacintosh向けにも提供される。(画期的な内容)

1994年、ジム・クラークらと共にNCSAを辞めたマーク・アンドリーセンは会社を設立し「Netscape Navigator 1.0」をリリース。
翌年発表した「Netscape Navigator 2.0」では、フレームやJavaScript(ジャヴァスクリプト)、Cookie(クッキー)などの機能がとうさいされた。
これらは当初、 Netscape Navigator独自の拡張機能だったが、後のWebブラウザでも標準的にサポートされるようになりました。

1995年、Microsoft社が「Internet Explorer 1.0」をリリースし、Webブラウザのシェア争いが始まる。

Windows98からは、Internet ExplorerがWindows OSに標準搭載されたことで、Internet Explorerの市場シェアが増加し、一時は9割を超えた。

ノルウェーのOpera Software社が独自のレンダリングエンジンを用いて開発した「Opera」が日本語に対応。多くの携帯電話やPHSのWebブラウザとして利用される。

2004年、 Netscape Navigatorの遺産を引き継いだオープンソースのWebブラウザ「Firefox」がMozilla Foundationsからリリースされました。当時のInternet Explorerと比べた際のセキュリティの高さ、アドオンやプラグインによる拡張性の高さが評判となり、現在でも広く使われています。(「 Firefox 」の前身「Phoenix」は2002年のファーストリリース)

2003年、Apple社が「Safari」を発表し、Mac OS Xの標準ブラウザとして搭載されるようになりました。Safariで採用されたレンダリングエンジンWebkitはオープンソースで、Googleの「Google Chrome」にも採用されています。

【Webブラウザの仕組み】
クライアント側のコンピュータにあるWebブラウザは、ユーザーからのURLリクエストに応じ任意のWebサーバにアクセスします。要求を受けたWebサーバはHTML情報をクライアント(Webブラウザ)に送信します。
Webブラウザは送られてきたHTML文書の構造を解析し、テキストや画像を配置・表示します。
この処理を「レンダリング」と呼びます。

Webブラウザが持つレンダリングエンジンは、その種類によって能力が異なるので表示スピードやHTMLの解釈方法に差が出ます。

多くのWebブラウザでは基本的に特殊機能を追加するプラグインの仕組みを採用しています。
プラグインをインストールすることでFlashやSilverlightのようなインタラクティブコンテンツを表示したり、PDFをWebブラウザで表示出来るようになります。(余談ですが、今日現在のAndroidではPDFはダウンロードして表示するようになっています)

プラグインがインストールされていない場合、ユーザーがWebブラウザの操作方法を習熟しなければ表示にプラグインを要するWebコンテンツはユーザーに伝わらないことがあります。(と、いうより伝わりません)

Webサーバーは基本的にWebブラウザからの要求を処理した後、通信を遮断します。※ステートレス方式
前の通信状態を必要とする場合、Cookieなどを用いてセッションを保持する必要が有ります。

Webブラウザでの情報取得時、HTTPリクエストにはユーザーエージェントと呼ばれる情報が付与されています。この情報にはリクエストを出したWebブラウザの名前やバージョン情報などが含まれ、表示するページを分岐させたり、アクセス解析時のデータとして役立てる事が出来ます。
また、トラブル発生時にはアクセスの証拠データとして利用される事も有ります。

【クロスブラウザ対応と プログレッシブエンハラストメント】
Webブラウザが独自にレタリングエンジンを開発しているデメリットは、同じHTMLやCSSを用いても、Webブラウザごとに見え方が異なる場合が有ること。(この傾向は古いWebブラウザほど顕著)  ※主な原因:Webブラウザのシェア争いの中で、独自機能の拡充に比重が置かれ、W3Cの技術仕様への対応が遅れていた為。

The Web Standards Project(WaSP)が提供するAcid Tests(アッシド テスト)では、各WebブラウザがW3Cの勧告したHTMLやCSSの仕様にどのくらい忠実にレタリング出来るかを確認する事が出来ます。
このテストを通じて一定以上正しいレタリングを行えるWebブラウザを「モダンブラウザ」と呼びます。

Acid2 Tests

Acid2 Tests

Acid3 Tests

Acid3 Tests

 

 

 

 

 

Webブラウザのシェアは制作の工数にも影響します。
Web標準への準拠性が低いブラウザを含め、可能な限り多くのブラウザで同等の表示を確保する為の対応を「クロスブラウザ対応」と呼びます。

一般的には、特定のWebブラウザでのみ有効となるスタイル指定をする「CSSハック」を利用し、見た目の差異を無くす措置がとられます。

クロスブラウザ対応は、古いブラウザがシェアを落とす中で必要なくなる作業ですが、まだまだクライアント(発注者)の状況などに応じて対応が必要なのが実情です。

近年では、積極的に新しい技術を利用し、モダンブラウザではよりリッチな表現を、古いブラウザでは最低限の表現を実現する為のプログレッシブエンハラスメントという制作スタイルも一般的になりつつあります。

【モバイル端末の閲覧環境】
1999年にNTTドコモによって「i モード」がスタートし、世界的レベルで見ても先進的なモバイルインターネット環境が始まったが、携帯電話キャリア各社は専用のWebブラウザを採用していた。

これらのブラウザでは携帯電話(ガラケー)の能力に合わせてcHTMLやWMLで記述されたWebサイトを閲覧できたが、一部のキャリアでは解像度の向上などに合わせてOperaやNetFrontなどを採用し、携帯電話でもパソコンと同じWebサイトが見られるようになりました。

現在の携帯電話ではWebブラウザもバージョンアップし、JavaScriptやCookie機能、リファラ機能などが利用出来るようになっています。

また普及が進むスマートフォンではパソコンと同じ(同等の)Webブラウザを搭載し、WebサイトやWebサービスが利用出来ます。

しかし、携帯電話でのWebサービスやWebサイト構築では、小さな表示領域に留意したWebページを別に作成したり、ユーザーエージェントを判別して同じページを別の見た目にすることが多いのが実情です。

 

コメントは停止中です。