2.14 著作権

POINT
■広義の著作権には、著作者人格権・著作財産権・著作隣接権の3つが含まれます。
■デジタル著作物を複製する際には、著作権に注意した取扱いが必要で、著作物に該当するか事前に確認することが望ましいでしょう。
■著作物を適切な技術を用いて管理するとともに、インターネットの文化を活かした新しい試みにも注目すべきです

【著作権とは】
インターネットの普及に伴い、著作権侵害によるトラブルが増大しています。多くの場合、デジタルコンテンツの持つ複製・改変の容易性、低コストで世界中へ送信できるネットワーク性、オリジナルと複製物の見分けがつかないことに起因しているようです。加えて、複製物が劣化しにくいという特性もあるでしょう。
著作権とは、自らの思想や感情を創造的に表現した者に認められる、創造物の利用を排他的(相対的独占)に支配できる権利のことです。表現形式は、言語・音楽・絵画・写真・プログラム等の幅広い形で認められています。広義には「著作者人格権」「著作財産権」「著作者隣接権」を含む知的財産権の一つです。日本は国際的な条約である「ベルヌ条約」に批准していて、登記を必要としない無方式主義、著作者の死後50年間の権利継続や同条約批准国の著作物に対しても同等以上の権利保護を行うこと等が定められています。
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■著作権
言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した著作物を排他的に支配する財産的な権利。著作権は特許権や商標権にならぶ知的財産権の一つとして位置づけられていて、著作者の権利には、人格的な権利である著作者人格権と、財産的な権利である(狭義の)著作権とがある。両者を合わせて(広義の)著作権と呼ぶ場合がありますが、日本の著作権法では「著作権」という用語は狭義の財産的な権利を指して用いられていています。(著作権法第17条第1項)
著作権者を表すコピーライトマーク「©」は、現在では、方式主義をとるカンボジア以外では著作権の発生要件としての法的な意味はないが、著作権者をわかりやすく表すなどのために広く使われています。

■著作者人格権
著作者がその著作物に対して有する人格的利益の保護を目的とする権利の総称で
「公表権(著作物を公表するかしないか、公表するとすればどのように公表するかを決めることができる権利)」
「氏名表示権(著作物に氏名を表示するかしないか、表示する場合に本名を表示するかペンネームを表示するかを決めることができる権利)」
「同一性保持権(著作物の改変、変更、切除などを認めない権利)」があります。
著作物には、著作者の思想や感情が色濃く反映されているため、第三者による著作物の利用態様によっては著作者の人格的利益を侵害する恐れがあるので、著作者に対し、著作者の人格的利益を侵害する態様による著作物の利用を禁止する権利を認めたものです。保護の対象が財産的利益ではなく人格的利益である点で、著作権と区別さます。

■著作財産権
著作財産権は著作物の財産的権利・利益に関する権利で、
「複製権(具体的な物に著作物を収録する権利)」
「貸与権(著作物の複製物を公衆に提供する権利)」
「翻訳権、翻案権(別の言語に書き替える権利)」
「公衆送信権(有線・無線を問わずに、データ送信する権利)」などの総称です。

■著作隣接権
著作権法上で定められた、著作物の公衆への伝達者、媒体となる実演者、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者などの権利です。1961年のローマ条約が基礎で、著作物の公衆への伝達に重要な役割を果たしている者として、著作者の権利と同等に保護されています。実演者には演奏者、演出家、歌手、俳優などが含まれており、レコード製作者にはCD、テープなどの製作者も含まれます。
著作権法上で、著作者の権利に影響を及ぼすものではなく(著作権法第90条)、両者は別個独立した権利であり、人格権のうちの公表権を除けば著作権同様の諸権利が謳われています。具体的な権利内容として、録音権、録画権、放送権、有線放送権、送信可能化権、譲渡権、複製権、貸与権などが挙げられます。著作隣接権はその行為がなされた時点で発生する無方式主義で、保護期間はその行為時点の翌年から50年間とされています。

歌謡曲の著作権と著作隣接権

イラスト出典元:一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)©
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【インターネットをめぐる著作権の問題】
インターネットをめぐる著作権の問題には2つの視点があります。

■著作者の権利保護
1つ目は、インターネットのネットワーク性とデジタルコンテンツの持つ劣化しない複製能力によって、著作権利者の意図に関わらず楽曲・映画・写真・マンガ等多くのコンテンツが違法流通している現状で、著作者が本来受領できる対価を得られないことです。これに起因する経済的被害は甚大で、現在ハードウェアを含めた技術的な対応とともに、ユーザーへの啓蒙が必要とされています。
著作権に対する対応については、対象とするコンテンツにDRM(Digital Rights Management)と呼ばれる著作権保護機能を施すなどの処理がなされています。代表的なものとして、映像や音声ファイルに対して使用するMicrosoft 社のWindows Media DRM、Apple 社のFairplay、4C Entity の開発したCPRMなど、文書や画像に対してはPDFに適用するAdbe Systems 社のAdobe Lifecycleや、Digimarc社のImage Bridgeなどがあります。

一方で、あえて著作権の侵害者を追求せず、ユーザーの意思と想像性にゆだねることで人気を獲得したコンテンツや、MAD動画などが広まることでオリジナルの宣伝に繋がるという現象も起きているので、適切な対応については議論が分かれています。また、Webサービスによっては、著作権管理団体と包括契約を結び、ユーザーがアップした動画などの著作権(使用あるいは侵害)に関して事業者側で著作権利用料を支払う例も現れています。
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for example:歌を歌う動画の包括契約
著名楽曲を、自分の演奏や歌でネットにアップする場合、YouTubeやニコニコ動画などなら事業者が著作権管理団体と契約を結んでいるのでユーザーが著作権使用料を払う必要はありません。逆に個人のブログなどで公開する場合は支払う必要があります。
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■新しい文化の創造
2つ目の視点として、新しい文化としての著作物利用があります。劣化しない複製能力を利用して著作者以外の表現者が二次創作物を作成し、それが新しい作品としての価値を生むという活動も人気があります。これはインターネットならではの文化であり、こうした創発に対して著作権を行使することによって育成を阻害すべきではないという見方も出ています。
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for example:初音ミクの二次創作物
キャラクターを使ったイラストや同人誌など2次創作物のダウンロード販売について、「原則として許諾していない」との事。非商用・無償の2次創作の場合「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」(PCL)のもとでほぼ自由に利用できるようになっています。「非営利目的で、原材料費を回収する目的で対価を徴収する、対面での大規模とはいえない数量の譲渡」である同人誌の頒布については、「すでに定着した『同人文化』を応援する目的、およびファンの皆様の交流を促進する目的」で、同社の「ピアプロリンク」に申請することで認められています。
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